冬の山を想う

「霜の声 ─ Whispers of Frost」」土佐和紙(6000H x 9000W)にアクリル絵の具、色鉛筆

深々と冷える夜、月明かりの下で落ち葉たちが囁く。

今年の厳しい寒さに、冬の山を想う。


Diary : 今日のお仕事 index


赤松の大剪定

大エノキの伐採に引き続き、赤松の頭を止める大剪定。
家の裏手の、1.5メートルほど上がった所に大きくなった赤松がある。だいたい14、5メートルくらいだろうか。裏は田んぼで、作業車が入らない。
田んぼまでの斜面もきつく、段差の擁壁ギリギリに生えているので手入れする時ハシゴを立てるのも容易ではなかっただろう。職人にとってもかなりやりずらい場所だ。
家の裏手だし、手入れも大変だし、いずれ施主であるご主人が手入れできるように…ということで、ご主人のご指定の高さまで頭を下げることになった。
ちょこっとしたハシゴをかけると、鋸とロープとロープに縛り付けたチェーンソウを持ち、親方はするすると松に登ってゆく。
感心して見とれているうちに、親方が頭の枝にロープをかけ、慎重にかつすばやく一段目を落としてしまう。そして周りの枝を払い、幹だけにしていく。赤松はヤニがすごい。刃もすぐになまる。
幹は落とす場所がないので、ロープを下の枝にかけ、切落した幹が木から離れた時に一度ぶる下がるようにして玉切りする。
切り離された太い幹をロープで引く職人さんとの呼吸もバッチリで、最後はこのロープに引かれて、親方がターザンのように木から降りてきた。
細かく玉切りして丸太を運び、枝を集めて本日の現場作業終了。


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大榎木(エノキ)の伐採

竹林の中にあるエノキの枝が、私道を越えて家の屋根にかかっている。雪による枝折れも心配だし、葉が出ると日の光も遮ってしまう…とうことでご相談いただいた。
当初は南側の枝の大おろしだけの予定だったが
見積もりを出して、施主さんが検討の結果、10年たってまた枝おろしをする予算もないし、かわいそうだが伐採をお願いしたい…ということになった。
そういうことなら、これだけの大物なれば、本職中の本職に仕事をしていただきましょう、と今回は庭屋さんではなく、ベテランの「きこり」の親方にお願いした。ねんがら年中、山へ入って、木の伐採や間伐や枝打ちをやっている林業のプロだ。
大の男が抱きついてもまだ余るくらいの幹周のこのエノキも、この人たちにとっては珍しいものではない。
木を根から倒すのは剪定するよりも簡単に思えるが、チェーンソウの刃の入れ方次第でとんでもない結果になりかねない。
もちろん、庭屋も伐採はするし「きこり」の数よりも「庭師」の数のほうが絶対的に多いのだから、こんな仕事は庭屋に行くことがほとんどだろう。
しかし伐採の経験が豊富なのは当然、林業の現場の職人さんたちだ。こういうリスクの高い仕事は、経験を積んだ人に頼むほうが良いに決まっている。

あちらこちらから豪雪の被害のニュースが入る中、ずっと晴れっぱなしの松本だったが、時期も時期なので工期が決まってからは雪が降りませんようにと必死で天に祈る。…工事当日は日中の冷え込みもすこし緩んだようで、絶好の仕事日和となった。

エノキの真下には、農機具を収納する小屋があり、枝がその上に落下しないよう二人一組で枝を支えながらチェーンソウを入れてゆく。
外れた枝を親方がしっかり持ち、降ろしてゆく。とても気を使う、慎重な作業だ。

午後の早い時間に、やっとすべての枝が下ろされた。
太い幹だけになったエノキに、親方がロープをかける。
かけたロープを3人に引いてもらいながら、親方が根にチェーンソウを入れてゆく。
木の周りを一回りする親方の腰の位置がだんだん高くなり、木がゆっくり動いた。

エノキの後ろの竹林の中に2本の杉の木があり、その2本の杉のど真ん中に木は倒れた。
お見事。
皆様、本当にお疲れ様でした。


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飯山は、雪にうずもれています。

飯山の雪囲い
2003年の飯山の叔父の家の雪囲い

今年の豪雪で、災害救助法が適用され、飯山市に自衛隊が派遣された。
本家である北町に住む叔母と、飯山小学校近くの福寿町の叔父に、お見舞いの電話をかける。
お見舞いと言っても何を言ったらよいのかわからない。屋根の雪は下ろさないとどうしようもないし、年をとっていても人手がなければやらなければならない。
叔父のところは親戚が来てくれて、雪下ろしをしてくれると言った。玄関やそのほかは叔父は自分でやっている。去年大病をしてまだそんなに時間も経っていないのに、80歳を超えた叔父は今年も雪かきをしている。
北町のほうはいとこが夫婦で雪下ろしをしているそうだ。たまたま隣が空き地で近所の雪捨て場になっているのだが、今は棄てられた雪が2階の屋根よりも高く積み重なり、限界のようだ。
「雪を棄てるところもいっぱいなんだよ。」と電話に出てくれた従兄の細君・Kちゃんが言う。
今年の飯山からの年賀状には、
「この大雪の飯山から逃げ出したいです(90歳近い叔母から)」
「飯山は、雪にうずもれています(一番若い叔母から)」と書いてあった。

飯山の雪囲い

福寿町の叔父の家には蔵があり、子供の頃探検気分でここに入るのが好きだった。
叔父は毎年、山の果実やら何やらで、果実酒を作る。蔵の1階の梁には「××年 やまぶどう 11月××日 ×K」と、白いチョークで果実酒を作った日が書かれている。毎年、記しているそうだ。
それらに混じって、その年の春の雪どけの日が書かれている。
「13年 雪消 4/20」あれからしばらく、叔父の家には行っていない。
少しでも早く、飯山の雪が消えますように。
気が早いと思っても、そう祈らずにはいられない。

叔父の蔵


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三九郎

まゆ玉

松本地方では、松飾を集めて燃やすことを「三九郎(さんくろう)」と言う。どんど焼き、と言ったほうがぴんとくる方が多いだろうか。

この集めた松飾を、丸太を組んだやぐらにワラを取り付け、その周りに飾りつけ、火をつけて燃やす。これをこのあたりでは「三九郎」と言う。

今年の松集めは7日の朝。三九郎は子供の行事なので、松集めも子供が行う…はずなのだが、我が町内の子供の数は少なく、ほとんど親がやっている(笑)。この「飾りつけ」も各町会によって色々だが、パターンはあるようだ。

一番大きなだるまはてっぺんにのせ、あとはネックレスのように縄に通してやぐらに巻いたり、二つのやぐらを作る時はその頭から架け橋のように渡したりする。ワラに松を挿してゆき、その周りに色とりどりの正月飾りを挿したり、掛けたりする。御幣のついたしめ飾りもそのままの形にさげる。

もう作ったところで親はヤレヤレで、写真どころではない(笑)ので、なんとなく毎年出来上がりの写真が無い。

ということで、まゆ玉を焼く時にカメラを持参。

まゆ玉

松本地方では、松飾を集めて燃やすことを「三九郎(さんくろう)」と言う。どんど焼き、と言ったほうがぴんとくる方が多いだろうか。

今年一年の無病息災を皆で祈りながら、暖かな焚き火にヤナギの枝をかざす。


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まゆ玉

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松本地方では、松飾を集めて燃やすことを「三九郎(さんくろう)」と言う。どんど焼き、と言ったほうがぴんとくる方が多いだろうか。

この三九郎の火で、米粉で作った団子を焼いて食べる。団子を通すのは、ヤナギの枝だ。

昔はどこの家庭でも米粉をこね、手作りしたのだろう。今も手作り派、購入派、半々くらいかな。

かくいう私は、購入派。一度手作りにチャレンジしてみたが、手間がかかり大量にできる割りに、なんだか硬いし、飽食の世代である我が子は二つ三つ食べて「ごちそうさま」なので、このところ市販品を買っている。

時期になるとどこのスーパーでも売るが、町内の歩いて1分のところにおじいちゃん、おばあちゃんで商っているお餅屋さんがあり、私は毎年、そこで買っている。…やわらかくて、甘すぎず、ほんのり塩気もあってそのまま食べてもおいしい。

直に火であぶると真っ黒になってしまうから、団子のところをアルミホイルでくるんで、三九郎をする田川の川原へ持って行く。

たくさんの枝先に鈴なりにつけてくる人、繭(まゆ)以外の形を作っている人、ものすごく鮮やかなまゆ玉が目を引く人…。皆が持ってくるまゆ玉も色々で、見ていると面白い。


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田作り

お正月の料理というと、思い出すのがこの「田作り」。
私は作ったことがない。これは↑実家の母の田作りだ。

子供のころ、正月休みで豆炭コタツでゴロゴロしようともぐりこむと、足にかさっと何かがあたる。覗き込むと、ぷうんと香ばしい匂いがした。新聞紙にくるんだゴマメだ。

母にその話をすると、「そんなこともあったかねえ。」
「今はどうやってるだ?」と聞くと「オーブンさ。」なるほど。

口に運ぶとカリッ、さくっとしていてほのかに苦い。からめた砂糖も甘すぎずちょうど良い。

子供のころは決して好きではなかった味だが、このところ「おいしい」と思うようになったから、不思議なものだ。


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